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2007年6月29日 (金)

第11話 by 斎藤ふみ

あのときの米田の思いもかけない一言に、史江は飛び上がるほどにびっくりし、思わず胸元の手裏剣を投げつけるところだった。それをぎりぎりの理性で押しとどめた。そう、史江は、忍者だった。

 都会派忍者としていき続ける史江は、まだ十代で未熟なだけに、ところどころで忍者としての自分が出てしまう。今も天井から様子を伺いながら、米田の言葉に反応して思わず降り立ってしまったのだ。そう、忍者としていき続ける史江は決して忍者だと悟られてはいけないのに。史江が本に挟んでいたもの。それは、次の指令が書かれてある、重要な紙だった。そしてそれは史江のこれからの忍者としての人生を、大きく左右する内容だったのだ。せっかく米田からそれを奪ったのに、ここでばれてしまうわけにはいかなかった。

「ばかね。ずっと前からあの角の席で、お好み焼き食べてたのよ。米田くんが気付かなかっただけでしょう?ねえ、大将。」史江は大将の目をじっと見て、ゆっくりとウインクをした。秘技「思い込みの術」だ。

「ああ・・・ずっといたよ。史江ちゃんはそこにずっといた。」大将は目をくるくるさせながらそう答えた。だが、その大将の様子の変化には米田は気付かなかった。

「そっか。ならいいんだ。それにしてもお前、ときどきびっくりするほど気配を感じないことがあるよな。
なあ、それはそうと、あいつら何してるんだろうな」

「ふふふ、気になるの?・・・でも何か、おもしろそうよね。」

米田と史江は二人の様子をそっと見つめた。

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コメント

ふみちゃんの文章って、飛び蹴りとか言いつつ、ウインクした、とか、やっぱり女の子☆忍者ネタで。。

忍者とは予想も出来ませんでした。

初めまして。いつも斎藤ふみ様の声を病室で聴いてます。美しい声、笑い声、美しい顔、美しい女性うらやましいです。でも後2ヶ月で、聴けなくなります。見れなくなります。私は末期ガンです。今年46歳になりますけど、21年同棲した彼と同じ誕生日なのに向かえなれません。今の彼と出合い最高のパートナーだと思います。21年間、私の父が借金して亡くなった時も彼がヤミ金、サラ金業者、銀行と仕事が終わってからと休日に走り回り片付けてくれたり母が車の事故で亡くなった時も周りから喪主代行でしてくれたり。風邪をひき高熱出した時は朝夕とお粥を作ってくれたり。着替え迄してくれたり。最高の彼であり男性であり主人です。今は病院に頼んで付き添いのため、病室から会社にご出勤で会社から病室に帰宅の毎日です。ラジコンを使わせてもらいありがとう。最高に幸せです。を伝えて下さい。

永遠の愛さん♪
 
コメントありがとうございます!!
本当に素敵なパートナーさんですねhappy01
その方を想う永遠の愛さんの気持ちも、とても熱いものを感じます。
 
ラジ★ゴンが永遠の愛さんにとって何かの力になっているならとても嬉しいです!!
 
必ずこのメッセージふみさんに伝えますshine

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