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2007年7月

2007年7月11日 (水)

第12話  by 山田優子

友子は渕田にどう話そうか迷っていた。

敵か・・・?味方か・・・?

野球部で活躍する渕田は人並み外れた能力があり「普通の人間ではない」事は分かっていた。

渕田か・・・?

いや・・・振り向くといつの間にかそこにいる俊敏な動き、そして何よりあのライダーキック・・・
あれは人間業ではない。

史江なのか・・・?

しかし最後に友子が賭けに出た相手は米田だった。
米田のあの身のこなし・・・
あの本を渡してからも迷っていたが、史江のライダーキックを受け宙を舞う米田の姿を見て自分の判断は間違っていなかったと確信した。

あれは「一本どっこ流・忍法受身の術」

もし米田が「その者」なら本に書かれた暗号を解読し、手紙に記された地図から「秘伝の書」を見つけ出せるかもしれない。

そう、友子も現代に生きる忍者だった。

そして今、自分が属する「一本どっこ流」が生き残るには「秘伝の書」を手に入れるしかなかった。
また、その「秘伝の書」を探しているのは自分だけではない事も知っていた。
誰よりも先に「秘伝の書」を探し出さなければならない・・・
それが田舎派忍者・山田友子が受けた指令だった。

都会に姿を隠している「一本どっこ流」を受け継ぐ者は米田に違いない。

ここまでは順調に進んできた。
ただし友子は「ただ一つの掟」を忘れていた。

「恋をしてはいけない・・・」