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2007年10月

2007年10月27日 (土)

第14話  by 米岡誠一

友子は渕田にどう切り出すか迷っていた。

「ねぇ、渕田君。お相撲さんって髷が結えなくなると引退なんですってね。
じゃ、じゃあ米田君はお相撲さんにはなれないわよね」
「は?何言ってんだ?」
「あ・・・いや、そうじゃなくって・・・渕田君のその運動神経、野球以外に何かやってるの?」
「別に。ただ・・・」
「ただ・・・何?何なの?」
「おまえ最近太った?」

友子は思わず胸に隠し持っていた手裏剣に手をやった。

「冗談だよ、冗談」

渕田は大笑いしながら歩き始めた。
友子も少し遅れて渕田の後をついてゆく。


「誰が『相撲取りにはなれない』だよ、別にそんな気ねぇよ」

史江と「てぼ」の中から2人の様子を伺っていた米田がぼやいた。

「なぁ、どうする?あいつらの後、追いかけるか?」

そういって米田は後ろを振り返った。
しかし既にそこには史江の姿は無い。

「あいつ本当に忍者みたいだな」

そう言った米田のポケットから例の手紙は消えていた。